
高齢化が進み、耳の聞こえにくい人が増える傾向にあるなか、通信会社や電機メーカーの間では、音を大きくして聞こえやすくする「集音器」の開発が広がっています。
国内の難聴者は1400万人あまりに上ると推定され、高齢化の影響でその数は増えていますが、日本補聴器工業会によりますと、聴力に応じた調節が可能な医療機器である「補聴器」の保有率はおよそ15%にとどまっているということです。
こうしたなか、通信会社や電機メーカーの間では医療機器ではないものの、音を大きくして聞こえやすくする「集音器」の開発が進んでいます。
このうちNTTの子会社が開発した「集音器」は、耳をふさがないデザインになっていて、マイクで拾った音を高速で処理し、時間のズレを抑えて聞こえるようにしたということで来年春ごろの販売開始を目指しています。
NTTの大西佐知子常務は、「まずはこれを使って、聞こえにくくなった音をきれいに聞こえるようにして、本格的に治療したい場合は補聴器につなげていくステップとしても利用してもらいたい」と話していました。
このほか音響機器大手のオーディオテクニカや電機メーカーのシャープもイヤホン型の集音器の販売を始めるなど各社の間で開発の動きが広がっています。