世界社会問題:代理出産、児童虐待
代理出産
日本ではまだ馴染みのない代理出産ですが、先進国をはじめ世界では、子どもを授かる有効な方法の1つとして広く認知されています。しかし、夫婦の子どもを医療の技術を用いて第三者に代理で産んでもらう出産方法は、多くの問題点が指摘されており、国によっては複雑な社会問題となっています。
まず第1に妊娠・出産は合併症など死の危険を伴うものであること、子どもの障害発覚により引き渡しが拒否されることなどが挙げられます。また、代理出産が盛んな地域はタイやインドの貧困地域の女性たちで、生活のために危険を顧みず代理母を何度も引受けて報酬をもらっています。高額な代理出産を依頼するのは裕福な家庭の夫婦であり、まさに貧富の差が生んだ生殖ビジネスが問題視されています。
児童虐待
世界では年間10億人の子どもたちが虐待、暴力の被害にあっています。児童虐待とは、保護者など児童周囲の人間が、暴力などによる身体的虐待だけではなく、心理的虐待、また性的虐待を加えるほか、育児放棄することをいいます。近年日本でも児童虐待は深刻な社会問題となっており子どもの命を守る早急な対策が求められています。
児童虐待は、受けた子どもの自己破壊的行為、アルコールや薬物乱用などの疾患の原因となり、その後の人生においても危険で深刻な影響を与える可能性が懸念されています。また、児童買収などのハイリスクな性的行動が命に係わる感染症や望まない妊娠を招くなど、身体的、精神的にも深刻なダメージをもたらすと警鐘が鳴らされています。
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[単語]
1. 馴染み(なじみ):慣れ親しみ、不自然な印象がないさま。
2. 顧みず(かえりみず):振り返らず
3. 警鐘を鳴らす(けいしょうをならす):事態が悪しき方向へ向かおうとしている事を指摘する。