氾濫、冠水…街が海に 「40年で一番ひどい雨」「初めて見る光景」 九州北部で豪雨
気象庁が県内全域に大雨特別警報を出した佐賀県では28日、河川が氾濫するなど、道路の冠水が相次いだ。JR佐賀駅構内も浸水。始発から全線で運休し、通勤客の足に影響が出た。
午前4時40分までの1時間雨量が観測史上最大の110ミリに達した佐賀市では市街地の至る所が冠水し、膝上まで水に漬かりながら通勤する人の姿が見られた。
JR佐賀駅構内には周囲にたまった雨水が流れ込み、深さ5センチほど冠水。立ち往生した通勤客や観光客が駅員に運転再開の見通しを尋ねていた。JR博多駅に通勤する予定だった佐賀市多布施の会社員田郷克好さん(59)は「始発に乗ろうとスーツで家を出たが引き返して着替えを持ってきた。出社できないが、水が引くまでは仕方ないですね」と話した。
27日夜から市内の実家に帰省していた福岡市博多区の会社員中野ゆかさん(52)も「来る途中の川という川が氾濫していた。初めて見る光景です」と驚いた様子だった。
百貨店や銀行などが立ち並ぶ中央大通りでも、大部分が大人の膝付近まで冠水し、動けなくなって放置された車や、店内まで浸水した店舗もあった。
出勤中だった佐賀市赤松の70代男性は「ここ40年で今回が一番ひどい雨。会社のビルも浸水していると思う」。兄と朝食を買いに行く途中だった小学5年生の中島悠君(11)は「太ももまで水が来てびっくり。歩きづらいし、いつもより時間がかかって疲れる」と話した。
国土交通省は28日午前、福岡県久留米市の巨瀬川、佐賀県多久市と小城市の牛津川、同県伊万里市の松浦川がそれぞれ氾濫した、と発表した。
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[単語]
1.氾濫(はんらん): 川の水などが増して勢いよくあふれ出ること。洪水になること。
2.冠水(かんすい):洪水などで田畑や作物が水をかぶること。
3.相次ぐ(あいつぐ):物事があとからあとから続いて起こる。