天皇陛下、宮中三殿で最後の報告=平成きょうで幕、夕方退位礼
天皇陛下は30日午前、皇居・宮中三殿で、退位礼正殿の儀の実施を告げる「退位礼当日賢所大前(かしこどころおおまえ)の儀」などの儀式に臨まれた。
皇太子さまや秋篠宮ご夫妻ら皇族方のほか、宮内庁や皇宮警察の職員ら約50人が参列した。
天皇、皇后両陛下は午後5時から宮殿「松の間」で、3月12日から行われた計11の退位儀式の締めくくりとなる退位礼正殿の儀に臨む。30年3カ月余り続いた平成は幕を閉じる。5月1日午前0時に皇太子さまが即位し、令和の時代が始まる。
天皇陛下は30日午前10時すぎ、天皇専用の装束「黄櫨染御袍(こうろぜんのごほう)」を身に着け、皇祖神とされる天照大神を祭る賢所に姿を見せた。厳かな表情でゆっくりと回廊を歩き、一礼して賢所の内陣へ入り、この日に退位礼正殿の儀を行うという趣旨の「御告文(おつげぶみ)」を読み上げた。
続いて、歴代天皇や皇族の霊を祭る皇霊殿、国中の神々を祭る神殿でも同様の所作を行った。
皇后さまは持病の「頸椎(けいつい)症性神経根症」のため、侍医の判断によりお住まいの御所で静かに待機した。皇太子妃雅子さまも負担を考慮し、欠席した。
リンク:https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190430-00000038-jij-soci
【単語】
1. 天皇陛下 : 当代の天皇を敬っていう語。今上(きんじょう)陛下。
2. 報告 : 告げ知らせること。特に、ある任務を与えられた者が、その経過や結果などを述べること。また、その内容。
3. 退位 : 君主がその地位を手放すことである。
4. 参列 : 式や行事に出席すること。
5. 即位 : 死去したり、譲位した君主の跡を継いで、その君主位に就くことである。君主の第一子や弟が皇太子や皇太弟に就任し、先代君主が死去した後に継ぐことがある。
6. 賢所 : 日本の天皇が居住する宮中において、三種の神器のひとつである八咫鏡を祀る場所。
7. 趣旨 : 事を行うにあたっての、もとにある考えや主なねらい。趣意。
8. 御告文 : 祭事で、天皇が皇祖皇宗の霊に告げる文。
9. 歴代 : 何代も経てきていること。また、それぞれの代。歴世。
10. 侍医 : 宮内庁侍従職に属し、天皇や皇族の診療に当たる医師。